8years (12)











“PiPiPiPi…”目覚まし時計が鳴って、歩美は目を覚ました。
 いつもと変わらぬ朝。
 だけどこんなにも心は晴れやかだった。
 今日はいい夢を見れた気がする。足取りも軽かった。
 そして何より、親友に言わなければいけない事がある。

「おはよう、愛!」
「おはよう、歩美。今日は元気ね。いい事あった?」
 歩美はこくりと頷いた。
「あの…愛、今までごめんね。私にとって“愛”は愛一人だけだから!」
 いきなり妙な事を言われ、困惑した愛だったがくすっと笑って歩美に言った。
「なんだか良く解らないけど良かったわ。歩美、最近元気なかったから、心配してた」
 愛は髪をかきあげる。
「今の歩美、凄くいい顔してる。可愛くなったいいわね。いいことあった?」
 歩美はそれを聞いて顔をほころばせた。
「うん!」




 ねえ、コナン君。今日で行き場のないこの想いから解放されそうです。
 私、コナン君に出会えたのは運命だと思うの。
 運命の人。
 そういうのって、恋人の事を指すだけじゃないんだね。
 だって、あなたから大切なものを沢山貰った。
 人との出会いがこんなに素敵だなんて知らなかったよ。


 私はどんな人に恋するんだろう?
 これから友達になるのはどんな人なんだろう?
 楽しみだな。
 ねえ、コナン君、少年探偵団はずっと友達だよ?
 コナン君も哀ちゃんも、光彦君も、元太君も。

 ――みんな、大好き。





 歩美は、教室の窓から空を見上げた。
 眩しく輝く太陽がそこにある。

 止まっていた時間は動き始めていた。  






















end
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